短編

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短編

塔の国

底知れぬところから、アスパラガスは生えてくる。  何も見えない真の暗闇。そこに光源は無く、額につけたライトの明かりだけが頼りだ。底の底には光は届かない。空から降り注ぐ光は下に行くほど弱まり、次第に暗黒が力を増す。誰もが踏み入ることを躊躇う場...
シャッターチャンス

シャッターチャンス 第1話 地形

シャッターを切る。歴史的の決定的な瞬間を切り取って、人類の足跡の一つとする。新聞記者が撮る写真というのはそういうものだ。あちらこちらに足を延ばし、色々な出来事の現場へと馳せ参じる。求めて行動しているから、当然といえば当然といえるかもしれない...
短編

間引きの受付

(クソが) レジーは胸中では悪態をつき、腹の中は煮えくり返っていた。 冒険者ギルドはいつも賑やかだ。腕自慢の巨漢と魔法使いが次のクエストの打ち合わせをしたり、剣士とシーフがクエスト達成の打ち上げをしている。 荒くれ者の多い冒険者たちは喧嘩も...
ショートショート

濡れ手で粟

何匹か盗んできた鶏から血を絞り出して、魔法陣を描く。古本屋で見つけた古くて汚い怪しげな魔導書に書かれていた儀式を始める。これで悪魔を召喚して、この生活から抜け出すのだ。 太郎は貧乏だった。 どれだけ働いても給料は上がらないし、労働環境も良い...
短編

取り出す絵本

そこからはなんでも取り出せた。描かれているものはなんでも。それに気づいたのは十二の時だった。自分の部屋の大掃除をしている時に、昔読んでいた絵本がでてきて、ふと気になってページを開いてみると中から金貨がこぼれ落ちてきたのだ。最初は金貨の形をし...
短編

雪の国

どこまでも続く白の世界。永劫に続く無限の雪景色。過酷なこの大地で生きる命は多くない。千里を歩き通しても、知識と技術がなければ一つの生命も見つけることはかなわない不毛の地。 硬い絶壁に、深く掘られた洞窟に建てられたログハウスには、ぼんやりと明...
短編

鮮血いちごジャム

いちごジャム。いちごを砂糖で煮たもの。甘くて、いちご特有と種のつぶつぶが美味しい。主にトーストに塗って食べるジャムの一種。栄一は朝トーストを食べる。いちごジャムをたっぷり塗ったやつを毎日飽きもせず、だ。聞けば、習慣でこれを食べないと一日が始...
短編

最終決戦

交差する拳。お互いに相手の頬を突き刺す。振るった上段蹴りはぶつかり合い、空気が振動し、見えない空気の爆発を生む。 すでに武器などなんの役にも立たない。己の肉体こそ最大の武器。弾薬は生命の咆哮。精神で構え、引き金を引く。 東京タワーは半ばでへ...
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