神様の箱 神様の箱 第8話 龍の鱗 太古の昔に生きていたという恐竜はものすごく強かったと思う。身体は大きく、硬質に発達した肉体を鎧や武器にして戦っていたらしいのだ。生身の人間は敵わないし、現代の兵器でも威力が低いものでは倒すことは難しいに違いない。 それでも、想像ができる常識... 2022.08.02 神様の箱
神様の箱 神様の箱 第7話 地下水道の魔獣 魔術ペンで術式を描くのと指先で描くのとでは、出来栄えが全然違う。魔術ペンのほうが描きやすいし綺麗に仕上がる。道具というのは実に便利なものだ。 「おらっ」 武器というのは有用な道具だ。自力では敵わないような外敵に対しても、有効な攻撃を与えるこ... 2022.07.14 神様の箱
神様の箱 神様の箱 第6話 水の街 人間にはどうしようもない性さがというのがある。人の性質というやつだ。ダメと言われればやりたくなるのは人間の性さがだし、隠されているものを暴きたくなるのも性さがだ。人にはそれぞれ持って生まれた性さががある。トラブルに遭いやすいとか、懸賞が当た... 2022.06.10 神様の箱
神様の箱 神様の箱 第5話 魔法の原理 魔術とは、正式名称を魔学技術と呼ばれるものの略称だ。科学技術の名前をそのまま転用している。 魔術史の始まりはごく最近で、一世紀も経っていない。それでも、魔術を利用したものはどんどん登場している。機械の耐久性を向上させ、物の働きを助けるような... 2022.05.30 神様の箱
神様の箱 神様の箱 第4話 宿り木の鳥 時は少し巻き戻る。タカミと別れたミレイは、山賊との戦闘を終えていた。 「けっこう強かったな」 ミレイの足下には大槍持った山賊が横たわっていた。全身ボロボロで、打撲の痕が多い。目の上に大きなたんこぶができていたり、身体のいたるところが青あざに... 2022.02.07 神様の箱
神様の箱 神様の箱 第3話 神の力 僕が住んでいる国は、街はずっと続いていて、街と街の間にある大自然なんかはない。昔はあったのかもしれないけど、今ではそんなものはない。途切れることなく、現代の建築物が建っている。コンビニは探せばその辺にあるし、監視カメラも多い。完全に目がない... 2022.02.02 神様の箱
神様の箱 神様の箱 第2話 光の価値 目が覚めたら、木造建築の天井が見えた。どうやら僕はベッドで寝ていたらしい。なんでだっけ。 「あ、起きたか」 ミレイが二つ並んだベッドの片方でくつろいでいた。 「悪いな、疲れてたのに振り回しちまって」 僕は急に倒れたらしい。確かに今日一日で色... 2022.01.21 神様の箱
神様の箱 神様の箱 第1話 宝の在り処 人間は人工的に造れるのか。これは難しい問題だ。歴史上、完全な人間が造られた例は無い。新たに魔術という学問が確立されたことにより、科学では実現不可能といわれていたものの研究が盛んに行われた。その中には人造人間、つまりはホムンクルスを造る実験も... 2021.10.16 神様の箱
神様の箱 神様の箱 プロローグ 『神を召喚しよう』そう最初に言い出したのはいったい誰なのか。決定したのは上層部の連中だが、誰も反対しなかったそうだから上層部自体が発起人とも言える。そんな絵空事を実行するのは、我々現場の人間の仕事だからたまったものじゃない。 ふざけるな大司... 2021.10.15 神様の箱
ショートショート スマホが真っ暗に スマホが真っ暗になった。その人物はスマホを落としたとか、アプリを起動しすぎたとかは一切していなかった。スマホを机の上に置いておいて、ふと気づいたら真っ暗になったまま動かなくなっていた。 その人物は一時は困ったが、音声検索機能などのしゃべりか... 2021.06.07 ショートショート